医療関係者の方へ

教室紹介


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当講座は1986年5月の病院開院以来約37年間、内房地区の産婦人科診療の中核を担ってきただけでなく、医学研究、学生・医師教育にも力をいれて実績を残してきました。教室の主宰は、現在は三代目となる五十嵐敏雄教授です。

教室の沿革

初代教授は貝原学教授であり、当初は貝原教授の専門である産婦人科領域での血液レオロジー(流動学)を中心に研究活動を行いつつ診療を行っていました。特に当時妊娠中毒症(現在の妊娠高血圧症候群)と呼ばれていた病態の解明など当初は周産期分野に多くの患者さんが集まっていました。また、内分泌・不妊の分野でもいち早くその技術を取り入れて先進技術の研究を行っており、千葉県内では2番目に体外受精による不妊治療を成功させた病院でもあります。 平成の時代に入って各診療科とも専門分野が細分化されていくようになり梁教授の時代に入ってからは、そのような流れに乗って患者さんのニーズが広がることが予想された婦人科内視鏡手術・婦人科悪性腫瘍の分野にも力をいれるようになりました。現在ではこれらの分野でも最先端治療を提供しています。特に婦人科内視鏡手術に関しては県内最初に導入し、現在でも県内屈指の手術数を誇っています。 このような歴史から、当教室では産婦人科全般にわたって専門的かつ一貫した治療方針に基づく診療が行なわれています。婦人科救急に関しては全例受け入れており地域の先生方から厚い信頼をいただいております。

県内屈指の内視鏡手術件数

当科は前述したとおり内視鏡下手術(腹腔鏡・子宮鏡)をいち早く千葉県内でスタートさせた病院です。内視鏡手術技術認定医の資格を有する足立准教授、梁客員教授・中村医師をはじめとして、医局員全員でこの手術を行っています。 開院以来の内視鏡手術件数は腹腔鏡・子宮鏡を合わせて3000件を超えており、ここ数年は年間で250件を超えています。最近では卵巣疾患のみならず子宮筋腫・子宮内膜症の症例が急激に増えてきており、全良性疾患の7割が内視鏡で行われています。 また、2014年から子宮体がんに対する内視鏡手術の施設基準も満たして厚生労働省からの認定を得ており、足立准教授を中心に子宮体がん症例の約1/3程度に腹腔鏡下手術を行っています。このため、房総地区はもとより県内全域から患者さんがいらっしゃっています。

悪性腫瘍部門

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近年は高齢化にともない子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌などの悪性腫瘍治療も患者数が増加しています。当院には足立准教授・梁客員教授の2名が婦人科腫瘍専門医/指導医の資格を有し、施設としても日本婦人科腫瘍学会の認定(A認定施設)を得ています。不安の強い癌患者様に対しては認定看護師とともに出来る限り寄り添い不安の軽減にとりくみ、実際の治療としては各種ガイドラインに準拠し、初診後出来る早い時点での手術療法・抗がん剤(化学療法)・放射線療法を組み合わせた集学的な治療を行うことで、より良好な成績をおさめています。また、標準治療の継続が難しい場合には積極的に国立がんセンター中央病院の腫瘍内科に紹介(またはセカンドオピニオン)することで、治験など含め様々な可能性を探る努力を行っています。

内分泌・不妊部門

内分泌・不妊部門では、日本生殖医学会認定の生殖医療専門医である五十嵐教授が中心として診療にあたっております。特に子宮内膜症に関しては先進治療に力を入れています。ホルモン剤を用いた薬物治療や腹腔鏡下手術での病巣除去はもちろん重症例・難治症例でも症例に応じた治療を選択しています。不妊症患者に対しては子宮卵管造影検査・ホルモン検査・精液検査・ヒューナー検査等を行い症例に応じた排卵誘発や人工授精を行っています。

正常妊娠・ハイリスク妊娠に対応した周産期部門

周産期部門では合併症妊娠などのハイリスク妊娠が多く、また35歳以上の高齢妊娠が全体の4割強を占めています。周辺施設より母体搬送を受けることも多いため、2022年の帝王切開は71件(全分娩に占める帝王切開率は41%)でした。それでも、原則的に自然陣発による分娩をめざし、分娩進行中は常に助産師が1対1で対応するきめ細かい看護を行い正常妊娠も受け入れています。もちろん夫の立会い分娩は原則的に可能です。(ただし、現在はコロナ禍であるため一時的に休止しております。)また助産外来が開設されており妊娠中のケアや分娩後の育児・授乳相談等を、また栄養部の協力による妊娠中の個別栄養指導も随時行なわれています。

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